News 3 住宅ローン規制の緩和とこれまで

BoT relaxes LTV rule for mortgages

BoT relaxes LTV rule for mortgages
The Bank of Thailand is easing loan-to-value (LTV) regulations governing mortgage lending, shortening the minimum debt-servicing period for first mortgages for ...

Bangkok Post 2020.1.21

ニュース概要

Bank of Thailandが、昨年4月に設定した住宅ローン規制を緩和する、という話。

出典/Bangkok Post記事

数年前までバンコクの不動産好景気を支えていたのが
1. 完成前に転売可能
2. 手付金は完成までに毎月分納できる
3. 物件価格と同額のローンを組める
というルールであり、初期投資額が少ない中で、キャピタルゲインを見込めた為、
短期的な売買目的(いわば土地転がし)の顧客が、バンコク都内で供給される未完成物件の買い手となっていました。

ここ数年間のバンコク コンドミニアム市況

好況(2014-18年前半頃)

2014年のクーデター後、完成前転売を目論む顧客が、新規物件の販売時にモデルルーム前に長蛇の列をなす光景を見ることが非常に多くなりました。
先着順販売の為、いい部屋を買うには早く列に並ぶ必要があった。
列の整理券を転売するものが出るなど、一種のお祭り騒ぎであり、販売初日・初週で70%~完売という驚きの売れ方をしていく物件が多く出てきます。

写真

販売好調→デベロッパーは仕込み案件を増やすため土地の需要が高まり、
土地代が上昇し、デベロッパーの新規売り出し価格も上がっていくという状況でした。
この時期、タイ国内不動産は年率5~8%ずつ価格の上がる非常に好調な産業の一つでした。
年によってばらつきがありますが、バンコクでは概ね5万戸の供給数だったようです。

Colliers: Bangkok condo launches rise
Newly launched condo supply in the second quarter continued to rise in Bangkok, with most launches in June after the political situation became clearer, says pr...

(自動車産業は、2011年頃に政策で優遇された為買い替えた人が多かったそうで、不動産と同時期には生産余力を持て余していたようです。)

※バンコクの不動産供給は、着工・完成件数以外のファクトを見つけるのが現状不可能と思われます。

これは、不動産販売の統計データを取っていない為です。

我々外国人ができるのは、Colliers, Knight Frank, CBREなどのレポートを眺めながら大まかな傾向を事後に掴む程度です。あとはマーケット調査会社にお金を払って調べてもらう(情報ソースは概ね販売員への電話など)でしょうか。

母国語(タイ語) から英語になるまででかなり時差・情報格差があるので、つくづく海外の株式や不動産投資は難しいと思います。

The Line Wongsawang Launch – Live At Sales Gallery

The Line Wongsawang, 約10万THB程度の物件でした。

転換期 (2017-8年)

日系デベロッパーがある程度出尽くした2017-8年頃から高額物件(目安として20万THB以上)が多く出回るようになり、
高級感を売りにした物件の売れ行きの鈍さも段々と見えてきました。

超高級マンション、バンコク都心部に乱立
タイの大手不動産開発各社が、富裕層に首都バンコクの超高級マンションを買わせようとしのぎを削っている。開発各社が飽和しつつある大衆向けマンション市場から手を引いているのを受け、大規模な高級プロジェクトの完成や計画が相次いでいる。中国やシンガポール、日本、香港の富裕層の間でタイの高級マンションへの関心が高まっているのもブー...

また、時を同じくしてMRT・BTSの延伸エリアにも8-9万THBの物件が多く供給されていたが、
いかんせん需要に対して供給が多すぎた為、在庫が積み増される結果となりました。

Bangkok condo surplus viewed as temporary
Condo oversupply exists in some Greater Bangkok locations but will eventually decrease as developers delay new launches in those areas, say analysts and develop...

そして2019年、政府は満を持して住宅ローンの規制を実施します。
複数物件所有する顧客に、物件価格の100%ローンを禁止するというものでした。
(これにより、以前は0で良かった自己資金を、1-2割程度用意する必要が出てきました)

兼ねてより価格の高騰が消費者心理にあり、転売の焦げ付きも増えてきていた中での規制であったので、
不動産取引について楽観的であった顧客のマインドが一気に冷え込むこととなりました。

もろに影響を受けた層は、勿論バンコクのコンドミニアム需要を支えていた投資家層(Speculator)です。

そもそも実需でない中で、短期的な利益が見込めた不動産に流入していたキャッシュは瞬く間に減少し、デベロッパーは相次いで販売計画を見直すこととなりました。

Time to take stock
SET-listed residential developers have adjusted their strategies to cope with sluggish market sentiment that continues to linger in the second half after poor p...
東南アジア、巨大開発に潜む影
【バンコク=岸本まりみ】東南アジアで巨大な再開発が相次いでいる。タイの首都バンコク中心部では2026年の完成を目指し、総額1200億バーツ(約4200億円)と同国で過去最大の民間案件が進む。インドネシアなどでも大型プロジェクトが目白押しだ。一方でオフィスや住宅の供給過剰の懸念が浮上し、開発を後押しする海外からの投資マネ...

これだけであれば「政府による規制は一定の効果を発揮した」と見えるかもしれないですが2019年前半は選挙があり、情勢を見守る中での消費の抑制や、

運悪く歴史的なバーツ高による輸出が減退、製造業の業績悪化があり、タイ国内景気は冷え込むこととなりました。
中央銀行の貸出金利も、一度は1.5%から1.75%まで引き上げたものの、すぐに1.5%へ戻し、1.25まで下げることとなってしまいました。
という事で、ニュースの背景が見えてきたかと思います。

政府の肝いりで導入されたローン規制ですが、国内景気全体が外部要因により減速してしまったので、
縮小せざるを得ない方向のようです。

まぁそれにしても、現実を見た投資家のマインドはそう簡単に戻らないと思いますし、
何より物件価格が給与の上昇よりハイペースで上がってしまったので、数年前の好景気が戻ってくることは無さそうに思われます。
(一気に価格の総崩れとはならなさそうな気がしますが、私はバブル未経験なので分かりません。)

皆さんがマーケットを見る際のご参考になりますと幸いです。
ではまた。

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